10月2日(火曜日)

プレス内時差が起きています。ユースホステルの朝食時間が終わろうというのに、藤田秀二氏が起きてこない。料金にインクルードされているので起こしてあげる。イギリスにも関わらず、ここの朝食は意外とおいしかった。
ヨーロッパにしては珍しくシャワーだけでなくバスタブも着いていたので、朝風呂としゃれ込む。でも底が浅くて、なんだかお皿でラーメンを食べているみたい。お湯があふれないようにするのに苦労した。

今日は特に予定はなく、ロンドンへ移動。
ユースの部屋は他に4人が泊まっていたが、アラブ系っぽい外国人の他に一人僕とおんなじ「地球の歩き方」を持っている日本人がいた。会社辞めた後2ヵ月くらいイギリスを放浪しているんだって。そうそう、男はみんな会社辞めて放浪するんだよな。話してみるととってもフレンドリーな人で、握手をして別れた。

「駅まで歩きで?」と藤秀に聞くと「タクシーにしません?」確かに海から坂を上っていく方向だから大変だ。
しかし流しのタクシーが見つからない。 途中オタク専門ショップがあったので、休憩かたがたちょいと覗いてみた。藤田さんもロボットとか怪獣とかが好きなんだそう。
店の中はスターウオーズと日本のオタク文化が氾濫。びっくりしたのは、日本の漫画がかなりの数英訳されて並んでいる事。しかも右開き。「ドラゴンボール」から「電影少女」「のだめカンタービレ」などなど。アメコミはほとんどなく、日本マンガの独壇場である。そういえば、ベルギーでは「デス・ノート」を模した殺人事件も起きたんだったってね。
上の棚にはフィギュアもいっぱい。「動物少女 羊」(おとなしそうで豊かな乳…)とか知らないものも多かったが、なにー、綾波レイの小さな人形が30ポンド?こりゃ儲かるわ。
ほとんどの商品にはカタカナがそのまま書いてある。日本語はそれが「本物」の証明となる神のお言葉のようであった。あ、ケロロ軍曹のぬいぐるみもあるぜ。
店から出たら、もう目の前がリバプール/ライムストリート駅。汗かいたけど、ビール1杯分節約できてよかったね!

 
タカヤノリコ(誰だそりゃ?)の「コ」の文字をひっくり返す方が難しいだろうに、恐るべしイギリスのオタク文化!
 

ライムストリート駅からは新幹線のような電車に乗る。1時間に1本しかく料金も58.7ポンドと少々お高いのはナニだが、振動もなくかなり快適。各席に電源もついているので、藤秀氏は写真整理を進める事が出来た。

ロンドン/ユーストン駅からは地下鉄に乗り換え。街を行く人が突然早足になっている。ロンドンの地下鉄は「アンダーグラウンド」と呼ばれ、空港のお土産屋に路線図をプリントしたTシャツが売っているくらいの名物との事。でもこの混雑は、埼京線か?それに横幅ならカモッジ、縦幅なランプキンなら入りきらないくらい小さな車両だよ。
1回乗り換えて合計8駅分移動で料金は4ポンド。地下鉄で移動なんてなかなか体験できない貴重な体験でした。

なんだかんだでおよそ6時間かかってイギリス最後の宿に着いた。
外は霧雨も降っているしもう夕方だから、今日は欲を出さずに仕事しよう。ロンドン観光は本気で計画作って見ないととても追いつかない巨大さだからね。

夕食は店で買って来たビールと日本から持って来たレトルト食品。「あー、いよいよ明日は帰国だと思うと、ほっとしますね」と藤秀氏。僕はもう少し編集を進めておこう。

10月3日(水曜日)さらばイギリス

朝6時半に起きて、帰国の準備。藤田さんはお金の計算をしている。「空港までの地下鉄が4ポンド、あと水買ってインターネットカフェで原稿送って6ポンド」と慣れたもんで、札をうまい具合に使い切っている。
地下鉄の駅前にあるインターネットカフェは、前の日に店の人に朝8時半から開店だということを確認していたのだが、行ってみると真っ暗。15分待ったが開く気配がないのであきらめた。うーん、やはり外国人は最後まで油断できない。
空港までの地下鉄は順調。チェックインも無事済まし、免税店をうろうろ。おっとこれは回転寿し屋があるじゃないか。しかし一番安い皿が1.5ポンド。え?400円??一番高い皿は5ポンドだから1300円くらいだよ!マグロの赤身が二切れとゆでたエビがひとつで。当然食べない。
葉巻売り場の店先で実演制作をしている黒人がいたので、「Can I movie?」と聞いたらちょっと困ったような表情。でも雰囲気だけちょっと、と思ったのにカメラ回し始めたら「Come on Come on」と1本作り切るまで撮らさされてしまった。ひょっとして出たがり?

飛行機に乗り込んでしまえば、あとはする事もなく自動的に日本へ。荷物も問題なく出て来て、長かった今回の取材旅行も終了へ。
イギリスで登った朝日が沈んですぐにバンコクで登り、それが日本では夕日になっている。ホントに地球の太陽はひとつなの?なんだか太陽の分身の術のようだ。
レンタル携帯を返して、余ったポンドを日本円に戻す。あれ?銀行の人が怪訝そうな顔。「あのー、この通貨はお取り扱いしておりませんので」
し、しまったああ!なんとマン島紙幣が20ポンドも混ざっていたあああ!あの眼鏡っ娘〜っ(涙)。

さあ、今回撮ったビデオは合計19時間。本当の仕事が、これから始まる。
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