デナシオン スペイン取材顛末記1
…ちがった、始末記(9月22〜23日)
デナシオンってなあに?と言う方に…トライアルの国別対抗戦です。インドアとアウトドアの大会がありますが、2004年のアウトドアのデ・ナシオンは9月25日26日に行われました。
9月22日(水)


デ・ナシオンに出発の日。
朝9時頃成田空港に着くと、ちょうどKLMオランダ航空の最終案内がアナウンスされていた。藤田秀二氏※が乗っていくはずの飛行機である。僕はまだ時間が あったので、しばらく空港内をうろうろ。
僕が乗るのはこれ↓ブリティッシュ・エアウエイズ。おお!スッチーがダイアナ妃だ!目の回りの化粧だけ。

セキュリティー検査の時、手荷物に紛れてしまっていた爪切りが刃物に当たるかどうか、少しもめた。「これは機内預かりに…」という係員に対し、別に爪切 りがなくても困らなかったけど「え?爪切りでハイジャックが出来るんですか?」と突っ込んでみる。判断基準を忘れて何でもかんでも自粛してしまうのはねえ。
そしたら別の係員が来て「これは問題ないです」とあっさり通れた。

飛行中の楽しみは、機内食。でもブリティッシュのパスタは伸びきっていて、あんまりおいしくなかった。

さっきのボーイングからイベリア航空のぐっと小さな飛行機→。なんだか観光バスか新幹線の車両に羽をつけたみたい。
さあ、また機内食だけがお楽しみ!
と思ったら、なんと機内食が有料!しかもコーラ1本が300円位もする。思い掛けない出費のためか、さらにそのコーラ1本をカードで買う人なんかがいる。新幹線みたいだと思った ら、まさか車内販売まであるとはね。2時間でスペインに着くので、ここは我慢でした。
着いたのはセビリア空港。おっと、到着ロビーには売店もない田舎空港だ。いつも海外に着いたらまず到着ロビーで現地の地図を買うのだが、ここでは売って いない。とにかく荷物をかかえ、空港からタクシーで1メーターの所にキープした今夜のホテルに移動。
と思ったら、乗ったタクシーにはメーターが着いておらず、言い値での支払い。たった1キロちょいの移動で3000円もぼったくられてしまった。当然レ シートは無し。早くもスペインが嫌いになる。

ホテルではとにかく晩飯。メニューを見ても訳がわからないので、ウエイトレスに「あんたが選んでくれ」と頼んだら、肉団子スープみたいのが出てきた。デザートもあるが何がいい、と言う。「甘くないのをくれ」というと「ではチョコレートムースはどうか」との答え。「だから甘くないのをくれ」「それならラ ズベリーはどうか」「それならよさそうだ。それをくれ」と言って出てきたのはラズベリーとクリームとアイスと砂糖のかたまりがぐちゃぐちゃになったや つ。…また少しスペインが嫌いになって寝た。

9月23日(木)

ホテルから空港に戻るタクシーは、2000円だった。「ほらソルだ、朝日が昇ってきたぞ」という気のいいオッちゃんだったが、やっぱり、ぼるところは、ぼる。
空港に手配しておいたレンタカーに乗り、さあ、デ・ナシオン会場のコルドバへ移動。
途中の道はすごく空いていて、高速道路なんだけど無料で走りやすい。途中の風景は、まさになんにもない。北海道も何にもないと思ったけど、それより広くてなだらかな丘が続き、そこに太陽が昇ってくる。少し感動。

左ハンドル右側通行もこれで3年目、運転も問題ない。120キロ以上のスピードは楽にキープ出来るので、120キロの距離はきっちり1時間で走れるとい う効率のよさ。午前中に会場に到着の予定だったけど、これは朝9時くらいには着いてしまうかもしれない。うーん、順調じゅんちょうと思っていたら、コルドバに着いてからが大変だった。
用意して来たFIMが作った地図には「Cordoba」としか書いてなくて、そのどこに会場があるのかわからない。途中でようやく買った地図も、「スペイン全図&ポルトガル」というものしかなくて、とても市内の詳細がわかるものではない。これでは「中学生日本地図」で人 の家を探すようなものだ。だいたいこんな町中でトライアルが出来るのだろうか?

コルドバはかつてイスラム教徒がつくり100万の人口で繁栄した街。キリスト教徒が奪還した数百年前からは、ゆっくり衰退して、今では人口も30万人だ そうだ。町中はほとんど一方通行で、幹線道路はまだいいのだが裏道は車1台がやっと、2トントラックなどは曲がるのも大変という状態である。FIMの地 図で「ここかな?」と思うところを探してぐるぐる回っているうちに、宿泊予定のホテルの看板が見えたので、先にチェックインすることにした。

このホテル、繁華街のはじっこにあるんだけど、カウンターのある3階まで階段で上がらなくてはならない。ベネチアとかポルトガルにもそういうホテルがあったけど、ボストンバッグを担ぎ上げるのは大変だ。
カウンターで「トライアルの会場を知っているか?」と聞いてみる。そしたら「オー、トリアル!」と言って、場所を教えてくれた。日本ではまずあり得ない ことだが、さすがスペイン、トライアルはかなりの知名度を持っているらしい。
教えられたとおりに走ってみると、あったあった、街の幹線道路の立体交差のすぐ横に、おなじみのパドック群。モンテッサとガスガスの真っ赤なテント、フジガスモーターホーム、それにチームミタニの面々。聞くとミタニはやはり8時間以上迷ったそうだ。
(写真はガッチと、フジガスに落書きされたバイク↑↓)

デ・ナシオンにはいつものトライアルメンバーではない、オーストラリアとかベネズエラとかからも選手が出場するけど、みんなよく来られたよね。お見事!さあさあこれでスペイン横断ウルトラクイズは無事ゴールイン。みなさん気をつけて帰りましょう。
とはならないのが辛いところ。本当の仕事はこれからなんだよね。さっそく取材用バイクを頼んでおいた主催協会の担当者を捜す。ところがどこにもいない。
携帯に電話しても留守電。コールバックの伝言を残しても無しのつぶて。
プレスセンターが開いたので、事前にその担当者が送って来ていた「OK、取材用バイクは用意するよ。ノープロブレムだ」というメールのプリントアウトを見せる。プレスルームの担当者はしばらく電話などをしたあと、当然のように「バイクはない」と答えた。「どういう事なんだ。そちらがバイクを用意すると 言うから、私ははるばる日本から取材に来たんだ。番組が成立しないじゃないか、どうしてくれる」と怒ってみせても「担当者はいない」「バイクはな い」「私はその担当ではないからわからない」を繰り返すだけ。僕は「ダメだこりゃ」とドリフの長さんになるしかなかった。


プレスセンターを出て日本人村に戻ると、黒山選手がぼーっとしていた。ベータチームが予定の時間を超えてもやって来ないので、マシンがなくてすることが ないのだそうだ。ベータのスタッフはポルトガルのデ・ナシオンの時は、二郎君用のサポートマシンを持ってくるのを忘れた。黒山選手は「遅くってもマシン が来ればいいですよ」と笑っている。

このスキにラガのインタビューなどをしておこうとガスガステントに何度か行ったが、そこでは太一選手が必死にマシンを組んでいるばかり。他はからっぽ。



どうやらスペイン選手は試合直前にならないと来ないらしい。こりゃ学校の一番近くに住む子供が、一番遅刻も多いってやつか?

暇している黒山選手と近くのレストランに入っても、ビール1杯出すのに30分。料理はさらにそれから1時間以上待たないと出てこない。その割には値段は 1500〜2000円もして東京より高い。
料理を待っている間、レストランの主人の子供が僕のカメラと携帯をいじくり回してケラケラ笑っている。
レンズにはさわるんじゃないって言っているだろう!!
スペイン人!人生もっと「ちゃんと」生きてみろ。ばっかやろー!

←この子がレンズを触った犯人…(笑)

スペイン取材顛末記2  24日・レディースワールドカップの日
スペイン取材顛末記3  25日・レディースデナシオンの日
スペイン取材顛末記4  26日・男性 デ・ナシオンの日

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