9月29日(土) 女子デ・ナシオン

やられた!イギリス人を信用した私が馬鹿だった。かつての日英同盟の仲間とはいえ、やはり外国人は外国人。甘く見てはいけない。

パドックに向かう車を運転していた藤田さんが叫んだ。「あ、ガソリンがない!」

借りたばかりのレンタカーで、それはあり得ない。僕もフェールメーターの針が偏っているのには気がついていたが、当然そっち側が満タンなのだと思っていた。
ところが実はガス欠寸前だったのである。レンタカー屋は「ガソリンは満タンにして返す事」と言っていたが、おそらくチェックはしないのだろう。前の人が空っぽにして返したのをそのまま貸し出した模様。
大会開始前の忙しい時間にあわててスタンドに行ったが、あ〜あ、ポンドとガソリンの高い事。しかも50リットル以上も入って、軽〜く1万円越えだよお。レンタカー自体が3万円くらいなのに、これってどーゆーこと?

というわけで、突然ですが藤秀氏30年のキャリアが語る海外取材ワンポイントアドバイス。

  1. レンタカーは必ず店の人と外観とフェールメーターがどうなっているか確認してから借りましょう。
  2. ガソリン車かディーゼルかを聞くのも忘れずに。間違えた燃料を入れると お釈迦になります。
  3. ついでですが、今回のB&Bのように部屋が4階でシャワーが弱くぬるい時は、一つか二つ下の階のシャワーを使いましょう。たったこれだけで、暖かいお湯がふんだんに出ますよ。(^o^)

でもさ,実はこのレンタカー月曜日の早朝まで使うんだけど、レンタカー屋には日曜日に返す、と言ってその分しか払っていないのさ。「でも日曜日はこのオフィスは休みだろ?どうしたらいい?」と聞いて、鍵をポストに入れておくことになっている。本当は月曜の半日分も払わなくてはいけない所を節約したから、まあお互い様ってことかな?

さて今日は女子デ・ナシオン。
パドックに行って真っ先に取材用バイクの確認。中山さんが「すんませんな、ガソリンは最小限入れときますんで、あとは自分で買っておくんなまし。なにせ世知辛い世の中でねえ」と申し訳なさそうに言うが、天下の野崎選手のマインダーに給油していただいて恐縮です。
取材用バイクの無理を聞いてくれたバーケットさんとスコルパの社長、社長との間を取り持ってくれた拙作ビデオ「ばら色の人生」出演のフランス人、パトリックさんに感謝である。


ところで女子デ・ナシオン。
注目は昨年優勝のイギリスと2位のドイツ、それにライアを擁するスペインである。スペインは昨年メンバーを揃えられず2人チームで参加したが、やはり無理があって3位に終わっている。しかし今年はいつものライア・サンツとカルラ・カルデラに、マダレン・アズプルアという新しい選手でやってきた。この3人目の選手マダレンの実力がどのくらいかで成績が決まるだろう。
ところが、彼女がかなり上手い。前日の女子世界戦では17位に終わっているのだが、ほとんどのセクションで13位だったカルラ以上の走破力を見せる。
スペインは女子でもこんなに選手層が厚いのだろうか。こりゃ今年は行けるかもしれないぞ。
しかし新女子チャンピオンのイリスを含むドイツも総合力のイギリスも、そつなく走る。この両国は3人とも平均して走破力が高いので、あまり5点をとらないのである。対するスペインは、2ラップ目になって頼みのライアにミスが目立ち始めた。スリップの罠にあっけなくはまったり、テープを切ったり。
結果スペインはなんとフランスにも抜かれて4位に終わってしまった。結果は以下の通り。

優勝 イギリス 減点16 c59
2位 ドイツ 29 c55
3位 フランス 40 c48
4位 スペイン 44 c48
5位 ノルウエー 99 c24
6位 アメリカ 115 c21
7位 カナダ 125 c17
8位 イタリア 150 c18
9位 ポルトガル 209 c5
10位 オランダ 225 c5
うーん、日本女子チームが出ていたら、もしかしてスペイン以上に勝つチャンスがあったかもしれないなあ。残念。

そうそう、今日はスタートも表彰式も、公式発表より少し早く始まった。これがイギリス流?でもガソリン事件でイギリスを信用しなくなっていた僕は、なんとか問題なくクリアできた。
セクションは優しく、僕でもクリーン出来そうな単なる斜面のターンが主体。でも難しいセクションは危険度もあって、設定の差が大きかったですね。
心配された天気も午後からは快晴になってよかったよかった。走り回った僕は暑いくらいだったけど,途中で出会った藤秀は「寒い寒い」と震えていた。

さてその藤秀氏、試合が終わってもう3時間になろうというのに、まだプレスルームに戻ってこない。今午後6時で他のメディアは「See you tomorrow!」と帰り始めていて、僕の所にも「あとどのくらいかかる?」と係の人が声をかけてくる。僕はまあこんな遊び半分だからいつ切り上げてもいいんだけど、藤田さんはこれから戻って原稿書きに入るのかなあ。プレスルーム閉店に間に合うか、ちょっと心配だが。
さあ、明日も晴れろよ!

9月30日(日) 男子デ・ナシオンへ…