デナシオン スペイン取材顛末記3
…そうじゃなくて、始末記(9月25日)
 
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スペイン取材顛末記1 22〜23日・出発の日
スペイン取材顛末記2  24日・レディースワールドカップの日
 
              
 
9月25日(土)
 

ふっふっふ。生野は笑っていた。
なんと今日から、私にはトライアルバイクがあるのである。
取材用バイクを用意するという主催者の言葉は信用ならないから、と(確かにそうだった)スペインに住んでいる日本の友人に事前に頼んで、貸してくれる人を捜してもらっ てあったのだ。見ろ、この真っ赤に燃えるガスガス2000。(そういいながら、自分に関する写真はありませんが…)ちょっと小さいけどヘルメットもあるし、ガソリンも満タンだぜ。藤波選手のお父さん、由隆さ んも「お、どっから手に入れたん」と驚いているではないか。

 
 

(←レディースでも オブザーバーを通訳したりと、藤波パパさん)

   
 


今日は女子のデ・ナシオンの日。明け方の空気は冷たく、お、今日は取材しやすいかな?と一瞬思ったが、スペインの手は見えている。日中はまた40度を超えるつもりに違いあるまい。大量の飲み水を用意。
朝食は会場そばのレストランでとる。ふっふっふ。コーヒーだぜ。しかしこのパンに塗ってあるバターは、給食用のマーガリンを2コくらい塗りつけたようだ。昼食用として同じパンを2コ別途買い込み、準備万端。いざ取材開始である。
スタート台では一旦スタートしたアイルランドチームが、また舞台に登ったりしている。どうやら今日はデ・ナシオン用のゼッケンをつけなければならないの に、主催者が間違えて昨日と同じものを渡してしまったらしい。萩原、西村、高橋の3人も舞台袖でゼッケンの付け替えをさせられていた。

 
   
  (藤波のゴーグルを借りて、照れ臭そうな試合開始前の摩耶ちゃん・左 スタート・右)
 

試合は昨日と同じく、まず10セクションを2ラップ、その後トップ10で4セクションを2ラップする決勝戦を行う。昨日と違うのは、どうやら減点は決勝 前のものも引きずるらしい。なんでそういう基本的なところを変えるのだろうか。しかし今日はもう騙されない。
日本女子は昨日と同じく、素晴らしい走りを見せた。セクションの難度は日本の国際A級くらいもあっただろうか、これにはスペインの策略で、ライアしか走 れないセクションでスペインを圧勝させようとしたのだと思われる。
ところがこれが裏目に出て、スペインチームは3人のうち一人が大クラッシュ。歯を3本、鼻骨も折ってリタイヤしてしまった。スペインは自分に仕掛けた罠 に自分でかかってしまった形である。

       
 
この結果予選が終わった段階でスペインは3位。そこで主催者側は次の策略に出た。決勝ではセクションをさらに難しくしたのだ。ライアがクリーン、他の選手は全員5点ならスペインが優勝出来る。
     
  ↑摩耶ちゃんが頑張ればほかの二人が拍手。チームワークもばっちり 
下見中「UFOだよ!」と空を指さすが彼女達をしっかり監視するオブザーバー。これじゃ置き石が…笑)
 
 
 

 

しかし、そうは問屋が卸さない(このことわざをスペイン語に翻訳しなさい)。フランスと日本がスペインを越える走りを見せたのである。結果スペインは順 位は、3位に終わる。優勝はフランスと日本が同点、どっちがクリーンが多いか、という争いにもつれ込んだ。フランス監督のミショーが、大会 本部にスペイン人オブザーバーによる判定にクレームをつけ始めた。判定が1点でも覆れば自国が優勝だからだ。もちろん疑惑の判定は日本チームも受けてい たが、日本はじっと裁定が降りるのを待つ。フランスはそのくらい日本チームに焦り畏れていた。

 

 
(←優勝を喜ぶフランスチーム)
         
 
 
結果は日本が2位に終わったが、スペインを越えた時点で日本もフランスも勝者だという大会であったと思う。
    (クリーン差は悔しそうな3人だったが、ほんとにがんばった。
右の写真 は3人で撮るはずが、何故か後ろからFIMのベルネダさんが…しかも肩に手が
   
         
 
この日は僕はスーパーの営業時間にも間に合う時間にホテルに戻ることが出来た。大量の水と、翌日の朝、昼食用のパン、それに缶ビールまで仕込んでまず は一人で乾杯。ビールは店で飲むと高いが、スーパーで買うと日本の発泡酒以下の値段であった。(顛末記その4に続く
               
 

スペイン取材顛末記1 22〜23日・出発の日
スペイン取材顛末記2  24日・レディースワールドカップの日

スペイン取材顛末記4  26日・男性 デ・ナシオンの日

 

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